切り落とされた髪の物語

切り落とした髪の物語・・

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ど～も　 

趣味はダイエット 特技はリバウンド 

ダイエットに希望を詰め込んだつもりでいたら 

間違えて脂肪が詰まった

 神奈川は相模原市は緑区って言う    

 もともと津久井郡だった片田舎で 

 orb　hair museumって理美容室やっている、 

 お酒と音楽をこよなく愛するケンです！！

きっとこの髪が生えて来た時

喜びであり、希望であった事でしょう



「早く伸びて!」


そう願う日々だったでしょう。



Fさんは初めましてのゲスト

Fさんは、抗がん剤治療後の最初のヘアカット

つまり今日切る髪の先端は

きっと


「あ!!髪が・・・生えて来た・・・」


不安や絶望からの光にも思え

愛おしんで伸ばしてきた、その髪

その喜びの髪を

今度は切らなくてはならない


なぜなら「素敵な髪型」になるためには

そんな大切な髪と、さよならしなくてはならない。

抗がん剤治療後の髪は

前髪の成長が遅く

毛先は細く

襟足がどんどん伸びてくる

その上、襟足の方の髪は

早い段階から太く、しっかりする


生えて来たはいいけど

今度はそのアンバランスさに

どうしていいか戸惑う。。。


ましてや抗がん剤治療後、生えてくる髪は

癖毛・・・それもかなりクルックルになる



そうなると実は、切る方法も大切。

道具のチョイスが求められる

あまり切れない頭頂部の髪の毛は細い

たくさん切らなくちゃならない襟足の髪は太い


それをハサミで普通に切ると

毛先の質感のアンバランスさが出てしまう

それは良いヘアスタイルにならない


故に、襟足・後頭部周辺は

カット用カミソリで毛先の質感を

頭頂部の細い感じに合わせ

頭頂部の毛先が細い部分は

ハサミで切ることで毛先に力強さ＝濃さを与え

髪の量を多く感じてもらい

襟足付近の毛先に近い印象を

持てるように工夫をする



お顔周りの処理も前髪が薄い場合が多いので

もみあげから前髪手前までのお顔との際は

毛先細くして、前髪に合わせる



癖毛にスキバサミは禁物。。ましてや

繊細な髪の状態の場合は、スキバサミの使い過ぎは

髪をバサバサにしてしまうから・・



そんな説明をしつつ切りながら

「でもね、Fさんのピアス、メガネのフレーム、お顔立ち
　お肌の感じ、髪ではなくFさんの全体を見れば
　フランスのスーパーショートヘアの、
　すごくオシャレなスタイルになります。

　髪だけを見てたらダメなんです
　その人の全体から見ないと」


そんな講釈垂れつつ

仕上がりを見たFさんは

「お〜〜〜〜〜！！！」

すっごい笑顔と感嘆符!


「もうウィッグなしでいけますね」

「はい!」



抗がん剤治療後の方の

お写真取らせていただくのは

お気持ちが繊細な状態だから

なかなかお見せできないんだけど

Fさんは　切る前のカウンセリングで

「抗がん剤治療後の髪をどうしたらいいか？

　ネットで調べても　出てくるのは都内の方ばかりで

　でもこんな近くにあって良かったです！」

僕はFさんに言った

「今この長さ　この状況は

　好ましいことじゃないかもしれないけど

　でも、今日やったスタイルが

　今後、このスタイルにむしろしたい！

　そう思える髪型にしますよ！」

Fさんはorbのドアを

いらして来た時かぶってた帽子を

自然にかぶらずに、

秋の明るい日差しの中へ

軽やかに出ていかれました。



その後ろ姿が最高に嬉しかった。

今日も頑張って　楽しんで仕事しよっと！