パンチを巻いて思い出すのは　あの頃・・

あれはバブルの最後の華やぎが残る

修業時代のコト・

僕の修業先は任侠団体の皆様が

多い店でした。

(´･ω｀･)ｴｯ?

バブル末期とはいえそこは任侠団体様

羽振り良くてね

桶寿司とかお土産でもってきてくれたり

チップなんてバンバンくれた時代。

その時代はまだ

パンチパーマってのがそうは珍しいものでなく

僕は柔らかくかけるのが得意だったから

女性にもかけてたし（コテパーマの原型）

一般サラリーマンもパンチしてた。

でね　僕の担当してた方の中に

任侠団体の親分さんがいらして

それはそれは腰の低い

物腰の柔らかな紳士な方で

僕にも

「いや～いつも丁寧にありがとうね」

なんて優しく声かけてくれて

見た目　態度　絶対に絶対に

そうとは分からない方でした。

ある日　パンチを巻き終わり

仕上げてる時の会話

「ケンちゃん　ウチでさシベリアンハスキーの

　子どもが生まれてね　可愛いんだよ～」

バブル期

(＠_＠;)

このワンちゃんとも言えない迫力の

シベリアンハスキーが大流行して

多くのお金持ツの方々は飼ってらっしゃいまして

親分も御多分に漏れず。。

でね

「ケンちゃん　ウチでさシベリアンハスキーの

　子どもが生まれてね　可愛いんだよ～」

そう言われたら返しはどうですか？

そら

「へ～イイですね～可愛いですよね～」

それが正解ですよね？

したら親分は

「そうなんだよ～可愛くてね～

　ケンちゃん犬は好きかい？」

そう言われたら返しはど～ですか？

そら

「はい好きですよ　子犬なんてムッチャ可愛いですよね」

すると親分さん 

「そうか！ケンちゃん好きか！そうか～

　ホント可愛いから見においで！」

そう言われたら返しはど～ですか？

そら

「はい是非！」

ですよね？？

したら親分やおら僕の師匠に

「マスター　ケンちゃん

　このあと借りてくぞ！」

へっ？？？

いやいや営業中！予約も入ってる

ないない　そら親分ないですよ

ねぇマスター？？

って心で呟いたらマスターは

「あ～い　イイよ～ケン行っておいで～」

コッチも観ずに

答えやがった！！

アイツ俺を売りやがった(笑)

で

僕は（玉よけ）の若い衆が運転してきた

ハーレーダビッドソンを

親分が運転　僕は後ろに

若い衆は親分の

「タクシーで来い」の指示に従い

タクシーを店で待ち

僕は親分の背中にくっついて

ドリュリュリュリュ～ンと

風になり親分のご自宅訪問とあいなりました。

ご自宅の門の前・・

石畳を踏んで玄関へ・・

玄関開く・・

これは記憶のねつ造って思ってるけど

三和土から伸びる廊下

その先は暗くて果て無く見えない・・・

玄関上がり案内され

若いしがこぞって挨拶する

「いらっしゃいませ！」Σ(ﾟ□ﾟ；)

「イラッシャイマセ！」(ﾟДﾟ;)

応接間に通され

しばし待つ。。。

するとドアが開いてそこから

親分とその背後に

×　２

＋　

子犬で可愛い？

よく見て！

確実に将来ヤンキーになる目でしょ！？

で

親２頭と子犬何頭か忘れたけど

親分の「ほら、イケ！」の

号令で僕めがけて突進してくる！！

親二頭はもはや体当たりで

ソファーに座る僕に

ど～～～～～ん！！

子犬は足元にじゃれつく

親は顔をなめるは

ゴシゴシするは

圧力ハンパない

「や～やっぱりわかるんだな～

　犬が好きな人は」

イヤ　あなた様がイケってゆ～たからやん！

(ﾟДﾟ;)

圧力に屈しそうになるも

跳ね除けてしまい

きゃいぃぃ～ん

なんて可愛い声で鳴くとは思えないけど

万万が一そのような状況になれば

俺の末路は・・

あぁ俺いま噛みつかれても無抵抗で

なんなら笑顔でムツゴロウさんか

松島トモ子状態でいなきゃいけないんだな・・

その辺りから記憶は途切れてまして

帰った記憶も　その後もちろん店に戻ったにせよ

一切脳はフリーズして

覚えていません！

Σ(ﾟ□ﾟ；)

しかし・・

その後のバブル崩壊と共に

大型犬ブームは去る。。

あの頃たくさんいたシベリアンハスキーたちは

どうしたんだろうか・・

フッて時々想い馳せるんだよね。。

そういう

「命をブームでの売買」

ってことの意味を

命を受け止めるっていう心の希薄さを。。

そしてヤクザも

そりゃもちろん

あえて書けば「道を外した人たち」の

集まりでも　見栄と意地にかけて最後の心

弱きを助け強きをくじくという

義侠心が胸にあった人はいた。

でもそれを失い本当の外道になって

「経済ヤクザ」になっていく

境目だったのかなあの頃は。

バブルの崩壊は心の崩壊でもあったのかもね。

ん？？なんか最後は笑えないぞ(笑)