原発視察雑感~福島をずっと見ていく~

 

 

6年ぶりに 待ち望んでいたこの場所に

 

先日いけました。

 

その場所とは・・

 

 

 

 

福島第一原子力発電所

 

11年前の東日本大震災で発災した原子炉メルトダウン

 

大量の放射性物質を放出してしまった その事故現場 

 

 

正に その場所に今回は「立って」きました。

 

 

 

 

雨の降る中 爆発した建屋前。

 

 

事故を起こした 1号機から4号機

 

 

3号機と4号機の使用済み核燃料棒は

 

このような構造体を作り

 

 

 

 

この構造体の中にクレーンなどを作り

 

取り除くことに成功したけど

 

1号機 2号機はまだ・・

 

2号機はまだ中に人が入れないレベルなのかな

 

 

 

一番上の写真が1号機なんだけど

 

下の写真の左は6年前行った時の1号機

 

右は先日の1号機

 

 

 

 

建屋上部のむき出しの鉄骨部分を

 

アップすれば

 

 

 

がれきは、ほぼ11年前のまま・・

 

6年前と比べても

 

(左が6年前)

 

 

変わってないでしょ?

 

このがれきの下に 使用済み核燃料棒があります

 

その燃料棒は ちゃんと冷却されて管理されています。

 

 

 

 

 

覚えてる??

 

「ベント」という言葉

 

11年前 

 

上昇する原子炉内圧力

 

その圧力に原子炉容器が耐えられず

 

大爆発を起こしたら この国は壊滅状態になる・・

 

それを防ぐために原子炉内の蒸気を逃がさないといけないので

 

「ベント」という蒸気を逃がすための排気塔

 

 

 

 

 

6年前 この排気塔の下を通過した時

 

ものすごい勢いで 放射線量が上がって

 

あわてて移動したの覚えてる・・

 

 

その高線量の排気塔も

 

 

 

 

たしか地元企業が新しく開発した技法で

 

解体作業が行われてる

 

(現在は 切り取る刃が上手く動かなかったり

 トラブルで工事は停止中)

 

 

 

 

6年前視察した時と変わらず

 

構内は雨水がしみ込んで 地下水になり

 

その水が 原子炉建屋内に浸潤し

 

「汚染水」にならないように

 

 

 

地面と言う地面は モルタルが吹き付けられ

 

地表は、ほとんどない状態に

 

 

 

 

また 建屋内に地下水が入り込まないように

 

これも覚えてる?

 

「凍土壁」

 

この横に伸びる太いパイプの下にピンクの丸で囲った

 

ガードレールの方に縦にいくつかのパイプが見えるよね?

 

このパイプに冷却材を流し込んで

 

建屋外周の土を凍らせて「壁」にしているの

 

 

 

 

それでも 建屋内には水は入り込み

 

また冷却のために注入し続ける水も

 

建屋の地下は爆発で亀裂だらけで

 

水は溜まり切らず 漏れ出す・・

 

それをくみ上げて「浄化」する施設が

 

 

 

 

多核種除去設備 通称ALPS

 

この白いテントの中で 様々なフィルターを通し

 

様々な核物質を取り除き

 

でも取り除ききれない「トリチウム」と

 

微量の他の核種が入ってる「浄化済処理水」が

 

 

 

 

 

 

この無数のタンクの中に保管されています。

 

 

トリチウムだけが なぜ除去できないのか?

 

そんな危険な 特殊な核物質なの??

 

 

 

いえいえ!!

 

今 水飲んでます?
 
トイレ流してます?
風呂入ってます?
 
ってか水って僕らの周りに必須なものですよね?
 
 
 
トリチウムって
水に普通に含まれてる
放射性物質なんです。
 
漢字で書けば 
 
三重水素
 
水素が三つくっついたモノ。
 
 
 
例えばキュウリ
 
キュウリにもカリウムって成分あるよね?
 
そのカリュウムにもセットで
 
放射性カリュウム40ってのは付属してるの
天然カリウム中には 0.0117 %の割合で
放射能を持つカリウム 40 が混じっている。
 
つまり キュウリ食えば放射性カリュウム40は摂取してるんだ
 
ラドン温泉ってあるよね?
 
健康に良いって言うよね?
 
ラドン、あれも放射性物質(笑)
 
 
トリチウムは自然界に
 
普通にある放射性物質
水はH2Oでしょ?
水素2つと酸素1個で作られてる。
つまり水に溶け込んでいるトリチウム=三重水素は
水の構成元素と同じ「水素」だから取り除けない
 
つまり水飲めば 海で泳げば 
 
放射性物質トリチウムは
 
僕らの体に入ってくるの
 
昔の蛍光塗料もトリチウムが含まれてる
 
 
 
だから あのタンクに溜まってる
 
汚染水と呼ばれる 
 
正確には浄化済み処理水
 
トリチウム水は
 
確かに濃縮され濃度は濃いから
 
そのままだとダメだけど
 
海水薄めて 海洋投棄しても
 
何の問題も起きない
だって海に今も自然に
存在してるから。
 
 

 なんなら世界中の原発では

 

今この瞬間も どっかの国では海洋投棄してるの

 

 

その証拠に・・

 

 

 

 

 

僕が手にしてるのが

 

世間でいう「汚染水」

 

正確には「浄化済処理水」

 

 

 

つまり無数のタンクの中の「水」

 

 

僕はついに手にしました。

 

 

 

トリチウムの出す放射線は

 

紙一枚で遮蔽できるくらい弱いから

 

このペットボトルさえ透過できない。

 

 

 

で!!

 

今回の東電の説明と言うか

 

視察で伝えたかったのは

 

廃炉のことや 現在までの経緯や未来図

 

ではなく

 

「いわゆる汚染水は、安全で怖くないよ」

 

へのアピールに終始してた感が・・

 

 

 

「浄化済処理水の海洋投棄の安全性」

 

これについての「PR活動」

 

に視察がなってしまってる感が否めなかった・・

 

モヤモヤした・・

 

 

 

確かに その内容を周知徹底し

 

それこそ世界中に伝えることは喫緊の課題だし

 

浄化済処理水の海洋投棄には 僕は賛成。

 

 

でも このブログの内容をもう一度読んでもらうとね

 

東電が言う「廃炉作業」

 

でも それをよく見れば

 

11年前の「事故処理」にしかなっていないんだって思った

 

 

確かに 3号機のグチャグチャの状態から

 

がれきを取り除き 燃料棒を取り出すなんて

 

凄いことをやってのけたと思う

 

6年前見た時 「無理だ・・」って思ったモン

 

作業員の皆さんの努力は本当に感謝しかない

 

 

 

 

でも、いまこの場所で行われてるのは

 

「廃炉」でなく「事故処理」

 

まだ、廃炉とはいえず 事故処理

 

今回、そう感じた・・

 

 

 

廃炉をするための周辺整備や環境整備であり

 

 

1号機の燃料棒取り出し開始にも

 

あと3年くらいかかる 二号機なんてさらに・・

 

 

 

つまり、廃炉の前段の環境整備に

 

最低でも15年くらいかかるんだよね

 

 

 

 

その環境整備は大切で

 

それがあっての「廃炉」だけど

 

どこか東電はこの環境整備も「廃炉」って思ってるのかな?

 

 

あくまでも11年間は廃炉ではなく

 

準備段階

 

それをしている。

 

 

本丸の溶け落ちた

 

「燃料デブリ」の取り出し

 

それが終わってからの「福島第一原子力発電所」

 

そのものの解体・更地化・・・

 

果たして あと40年とかで出来るとは思えない。。

 

 

そもそもデブリを取り出す技術がまだない。

 

 

 

 

前回は初めての福島第一原子力発電所構内で

 

脳みそが対応できないくらいの衝撃で

 

冷静さを欠いていたけど

 

今回は冷静に見れて そんな思いを強く感じました。

 

 

 

 

原発構内を出れば

 

この動画は

 

僕が2019年11月に行った時のもの

 

 

バリケードで塞がれていた街も

 

 

 

 

バリケードはとかれ

 

 

 

 

帰還困難地区は減っているようだし

 

草や低木が生い茂ってた

 

田畑は

 

 

 

 

除草 除染作業が始まった。

 

 

 

でも これさえ復興ではなく

 

準備段階 下地作りでしかない

 

 

気の遠くなるような遠大な「廃炉」「帰還」・・

 

それでも「諦めちゃいけない」

 

そして知ることを諦めちゃいけない

 

なぜなら俺ら首都圏の人間は

 

この原発事故の当事者であり

 

加害者であり

 

共犯者だから。

 

 

 

ここで生み出された電気は

 

首都圏のためのモノ

 

 

福島の人は一切使っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

チェルノブイリが爆発し

 

清志郎が「ヤバいぞ!」と叫んでも

 

僕らは「便利」を失うことを厭い

 

見て見ぬふりをし

 

社会は清志郎を封印しようと

 

発売禁止 放送禁止にした。

 

 

でも 僕らはその叫びに何かのアクションを起こし

 

その問題を掘り下げることをしなかった

 

結果・・・福島の浜通り人を苦しめている。。

 

 

 

だから僕は「共犯者」として

 

これからも福島を見ていく

 

原発もまた見にいきたい

 

そして そういうベクトルとは真逆でも

 

必ずつながるであろう

 

「福島に遊びに行っちゃおう!!」企画も

 

来年にはしたいな~

 

 

 

確かに悲しみの場所です。

 

でも、だから未来永劫しかめっ面する場所でも嫌だよね

 

 

 

 

知ることを諦めない

 

 

だから僕は、これからも福島をずっと見ていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ってなわけで    

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。      

 

今日も 良い一日をお互いに!!

 

 

ではでは!!

 

 

  

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