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残すもの

 

 

残すもの・・・

 

僕の先月まで住んでいた家は

 

都市計画道路の整備の関係で

 

取り壊されました

 

 

取り壊しの日 朝

 

現場にあいさつに行った時

 

すでに僕が植えて育てた木々や

 

家の一部は壊されはじめていました

 

その光景をみたとき

 

頭に流れてきたのは

 

「残すもの」という

 

友人のシンガーソングライター

 

annの歌声

 

 

 

 

残すものの音源がないから

 

お聞かせできないけど

 

 

僕の大切なものが壊されて

 

やがて跡形もなくなり

 

きっと僕もそうだけど みんなそうだけど

 

毎日通る、通勤で毎日見てた

 

「家」や「建物」

 

無くなってしまうと すぐに

 

「あれ?ここ何があったっけ?」

 

「あれ?どんな建物だったってけ?」

 

記憶の中から即消されてしまう・・・

 

 

もちろん そうしないと脳の記憶の容量が

 

もたないから 「必要ない記憶」は

 

消去されていくのは分かっている

 

 

 

何も残らない

 

 

 

僕の記憶には永遠であっても

 

誰の記憶の中にも残らない・・残せない・・

 

 

震災で「写真」を探す人を見たとき

 

感じた想い

 

 

人は未来に生きていくけれど

 

その未来に歩む「道」は

 

「過去」が紡いできたもの

 

その過去があるから「自分の存在」に

 

証明ができる 由につけ悪しきにつけ

 

 

それが津波や何かで失われたとき

 

人は自分の足元が まるで

 

波に削られる砂のように

 

朧になっていく「恐怖」を感じる

 

記憶と言う確かにあっても「曖昧模糊」なものを

 

「確かなものにする」写真を探すんだって

 

 

 

僕は、大好きな家を

 

僕の選択ではあっても「残せなかった」

 

でも様々な災害地で感じてた想いが

 

僕の中にあったから

 

 

 

 

残せたかな・・・

 

 

でも このイベントをやって良かった

 

おかげさまで僕の中には

 

本当に皆さんへの感謝もだけど

 

それらを包み込んでくれた

 

この家

 

への感謝が楔を打ち込むように

 

僕の中に残せました